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学園紙Pickup 平成25年1月31日号・記事詳細

大学2013.02.11

国際連携教育プログラム終了 

被災地でのボランティアで思いを深める

 

  本学の国際連携教育プログラムで学ぶ、アメリカ、マレーシア、ネパール、ブルガリアの4カ国からの19 名の交換留学生が、昨年10 月27 日から29 日まで、東日本大震災の被災地である南三陸町と気仙沼市を訪問。瓦礫撤去作業などのボランティア活動と、個々のテーマ学習を行いました。

 12 月7日には、仁愛ホールで英語による「被災地体験学習報告会」を開き、本校の学生・教職員約60 名が、留学生の話に熱心に耳を傾けました。
 テーマは①「被災地における宗教の役割」②「子どもの地域復興への参加」③「東北における外国人女性の立場と地域との関わり」④「南三陸町でのボランティア活動」。どの発表者も、現地での活動を通じて被災者や被災者を支援する人々の生の話を聞くことにより、「復興は遠い」ことを体感。多くのボランティアによる絶え間ない支援が必要であることを強調しました。
 また、復興に向かって諦めることなく活動する人々の強い思いに触れ、留学生自身も励まされた経験を、熱く語りました。
 4ヵ月間の本学心尽くしのプログラムを終えた留学生は12 月14 日、サロン・ド・ブンキョウで開かれた修了式に出席。川邉信雄学長から修了証書を授与される姿は、さらに成長を感じさせました。

 

  


  

沖縄の高校生5名 「子ども英語教育センター」を訪問

 

   沖縄県立球陽高等学校の2年生5名が本学の子ども英語教育センター(CLEC)を訪れ、椿まゆみCLECセンター長(短期大学准教授)と面談しました。

   同校では「総合的な学習の時間」として、生徒の将来の社会的自立に向け、より確かな目的を持った進路学習に力を入れ、生徒のプランに応じた体験学習を行っています。「球陽プロジェクト」と銘打ち、1年次と2年次の合計105時間(3単位)の学習を実施。
 昨年11月には、東京の大学や企業などを訪問する3日間の実地研修を行いました。その一環として11月14日、飯島花奈さんら5名の2年生がCLECを訪問。一行は「英語教育」「子どもの英語教育」について調べているうちに、本学のホームページを見てCLECに興味を持ったそうです。「子ども英語教育センターの活動について」「TOEFLの日本人の平均スコアが低いのは何故か」「今まで受けてきた英語学習方法の何がこのような現状の原因となったのか」「海外と比べて何が劣っているのか」など、先方からの質問に、椿センター長が対応。例えば、「英語を学ぶには何が大事ですか」の質問に関しては、「クリティカル・シンキングを使い、英語での情報を取捨選択・考察をし、ノン・ネイティブスピーカーとして誇りを持って、自分の考えが発言できるようになってください」と回答。お互いに、有意義な時間を過ごしました。同校の東江紗和子さんは「自分がこれから英語を学習する上での意識が変わりました。もっと世界に目を向けた英語力を身につけたいです」と感想を述べました。
 意見交換後、5名は一ツ谷侑奈さん(外国語学部3年)の案内で、チャットラウンジや新築された東本館などを見学して帰途につきました。

 

                                              

  


    

島田杯で文京学院生大活躍!

 

第18回大会は活水女子大学が優勝

 

 「第18回島田杯争奪英語弁論大会」(主催=文京学院大学・短期大学、後援=朝日新聞社)が昨年12月16日、本郷キャンパスで行われました。
 出場者は、本学はじめ、活水女子大学、聖心女子大学、成蹊大学、明治大学、慶應義塾大学、千葉県立保健医療大学、同志社大学、津田塾大学からのスピーカー13人。各大学関係者や応援者でいっぱいのウイング・ホールで、5分間の流暢なスピーチと、他大学から招聘したネイティブの審査員3名との質疑応答を行い、その英語能力を競いました。
 審査の合間には、本学の「英語落語研究会」メンバーが、浴衣姿で英語落語を。さらに、時間調整のため、本学の川邉信雄学長が急遽、イタリア語で歌声を披露しました。予定外の出来事に、来場者一同大喜びで拍手喝采!
 優勝は活水女子大学の村上裕紀さん、2位は津田塾大学の石黒翔子さん、3位は聖心女子大学の中村友香さんに決定。審査員・青山学院大学のDonald Whyte先生からは、「優勝者を決めることがとても大変だったが、それはとてもうれしいこと!」と総評がありました。本学からは近藤ゆりさん(外国語学部2年)と安藤夏芽さん(短大2年)が出場し、大健闘。「本当にハイレベルな闘いでしたが、皆さんと一緒にスピーチできてとてもうれしく思いました。この体験を普段の授業にも生かしていきます」と力強く話しました。最後に会場を新設の東本館に移し、出場者・関係者一同、心ゆくまで懇親会を楽しみました。
 同大会は毎年、学生たちが実行委員会を組織して運営しています。委員長の加藤篤紀さん(外国語学部2年)は、「委員一同協力し合い、大会を成功させることができました。さらに改善し、次回はより良い大会にしたいと思います」と笑顔で締めくくりました。

                        

   


  

経営学部・馬渡ゼミ「日本酒プロジェクト」

 

伏見の酒蔵にプレゼン

 

経営学部の馬渡(まわたり)一浩ゼミでは、昨年「日本酒プロジェクト」に取り組みました。馬渡教授が、友人のデザイナーと「学生を巻き込んだ活動」を企画。そのデザイナーの方が、パッケージデザインを担当する伏見の酒蔵に、「どのようにすれば日本酒が若者にもっと親しまれるか」を提案する案が浮上しました。酒蔵の経営者に直接プレゼンできる良いチャンスに、有志のゼミ生10数名が集まり、昨年1月にスタート。数度の会議と本番のプレゼン(10月)がデザイナーの代官山のオフィスで行われるなど、ゼミ生は現場の生きた体験をしました。
 3年の宇津木紀子さん、2年ゼミ長の露木理菜さん、同副ゼミ長の藤田信也さんは、「実践的な学習ができる」と興味を持ち、「自分たちの意見が求められている」と感じて、同プロジェクトに参加しました。
 研究を進めるにあたり、藤田さんは「アイデア出し」に苦労。「1時間で100のアイデアを出せるプロのデザイナーの凄さ」を実感しました。日本酒にマイナスイメージを持っていた露木さんは、まずは「見た目」を改良する必要を感じました。さらに飲み方の工夫の一環として「食べ方」について考え、「アイスキャンディーやフルーツを入れる」「日本酒ボンボン」などのアイデアを出しました。宇津木さんは、日本酒のイメージをプラスに移行するためには、「長期的な展望が必要」と感じました。例えば「日本酒に対する正しい知識」を若者に啓蒙し、「将来の飲み手として育てる」ことを考えました。
 10カ月間の研究中、伏見のおいしい日本酒に触れたメンバーは、これまでの日本酒に対するイメージを大きく変えました。
 馬渡教授は「先方はよく勉強されている方々なので、学生に求めるものが厳しく、プロの方々と接する機会をいただけたことは本当にありがたかった。『仕事とはこういうもの』ということを、学生が感じ取ってくれたと思う」と同プロジェクトの成果を喜びました。
 来年度は、今回の経験と課題を活かして、「大島紬の活性化プロジェクト」に取り組む予定です。

                         

            

  


 

  

福祉系大学フェア2012開催  本学の笹岡学科長が特別公演

   

 「福祉系大学フェア2012」が、昨年12月22日に代々木SYDホール(渋谷区千駄ヶ谷)で行われ、受験を控えた高校生と保護者で賑わいました。

 20大学の理事長による福祉系大学経営者協議会の特別講演会では、本学人間学部人間福祉学科の笹岡眞弓学科長(同教授)が「明日に未来を与える福祉の魅力」をテーマに講演。来場者は熱心に聴き入りました。同協議会のブース「福祉の仕事なんでも相談コーナー」では、本学の中土純子助手が福祉全般について相談者に対応。同協議会会員の各大学のブースも設けられ、本学は簑田卓マネジャーが担当しました。
 

                                                  

 


 

特集  

 

 高校生・大学生デジタルアートの世界で大活躍(大学生の記事のみ掲載)

 

大学生入賞者

  喜多見康教授の指導を受ける3人の学生(経営学部2年)も、2つのコンテストに入賞。

  作品に込めた思いなどを聞きました。

 ●第17回アニメーション神戸Webアニメコンテスト

 【スポンサー賞】 『株式会社リオ賞/優秀作品賞』 大川美緒さん/作品名『宝石を盗んだギャングと警察の逃亡劇(ちびっこギャングの逃亡劇)』      『株式会社リオ賞/優秀作品賞』  三浦愛実さん/作品名『まわれまわる』

 ●ASIAGRAPH公募部門「REALLUSION AWARD2012」    【入選】 田口聡さん/作品名『BEARshow』

 

  ――作品に込めた思いを。


 大川「何も考えずに、ただただ面白く観ていただきたいと考えて創りました」

 三浦「とても身近な存在を題材にして、皆さんに楽しんでいただきたいと思いました」

 田口「音楽に乗せて、楽しめる作品を創ろうと思いました」

 ――大変だったことは?

 大川「ストーリーを創る段階で、先生からなかなか許可をいただけず、周囲はどんどん制作に移っているのに、自分だけ紙に向かっていたことです(笑)」 

 三浦「夏休みも使い、前期まるまる制作に時間をかけました。まとまった作業をするのが大変でした」 

 田口「初めて使うソフトには英語の説明しかなかったので、自分で試行錯誤しながら制作しました」

 ――今後はどのような作品に挑戦したいですか?

 大川「今回の3DCG(立体コンピュータグラフィックス)はこりごりですので(笑)、また、平面のCGに挑戦したいと思います」 

 三浦「今後は良い意味で期待を裏切る作品を創ってみたいと思います」

 田口「今後は長編に挑戦してみたいと思います」

 

 ――頑張っている高校生にひとことお願いします。

 田口「今の年代で感じていることを、今しかできない表現で作品にしてほしいと希望します」

 三浦「街には作品の素材が溢れています。身近な題材を選ぶと取り組みやすいと思います」

 大川「自分の好きなことを一生懸命やってください。好きなことなら頑張れるし、その分報われます」

 

喜多見教授は「高校生・大学生共に、その『感性』は素晴らしいです! 特に今年は神戸Webアニメコンテストで半分近くの賞を文京学院生が占めましたので、主催者も驚いたことでしょう。これからも自由な発想で楽しみながら作品に取り組んでください」とエールを送りました。 

 

 


 

 

Green  Spirits 

 

 

グローバルな活動は、地域での取り組みから  

 

環境教育研究センター長 柄田 毅           

 

 

  ふじみ野キャンパスは、人間の理解と援助を専門性とする学部・学科で構成されていますので、人が生活している地域を理解し、繋がることが重要です。これは、学生が行う現場実習やフィールドスタディ、環境教育研究センターを含む地域連携・地域貢献の諸センターによる実践的活動が該当すると言えます。こうした様々な活動を通じて知り合う地域の人たちは、大切な存在です。また、人とのつながり、キャンパス周辺地域の環境の特徴、成り立ちの歴史や文化等についての理解が重要です。つまり、我々の実践は、地域に根ざしていることが必要であり、ひとり一人の学生が学習し、経験したことは高い実践力と言えます。そこで、大学の教育・研究の基盤には、地域(ローカル)の理解とそこでの取り組みがあると考えます。

  一方で、人間の理解や援助等を行うとき、特定の考え方や意見等に偏ることなく、多くに共通する基準や理念をもち、共有することは重要です。つまり、人間のもつ多様な個性を理解して、多彩な繋がりのなかで活動することが必要です。これに関連するキーワードとして、生物多様性(バイオ・ディバーシティ)を考えてみます。
 生物多様性は、生きものたちの豊かな個性とつながりのことであり、生態系、種、遺伝子それぞれのレベルの多様性を考慮しなくてはなりません。生物多様性に関して法律や条約が示すことの1つに、国際的な連携や協力の重要性があります。日本だけでなく国外に関して、多彩な自然環境との関係を理解することや、多様な考え方や文化を尊重することが必要です。そのため我々は、世界(グローバル)の理解とその実践を志向すべきです。加えて、生物の多様性に関する実践は、その環境にいる生物に固有の特徴を育む独自の環境的特性を含めて行うものと思います。言い換えると、人や生きることの多様さを支えるためには、地域の特色の理解を基にしたグローバルな理解と実践が求められているのです。
 これまで述べたことは、環境教育研究センターを含めたふじみ野キャンパス周辺の地域における教育・研究活動の特色です。そして、これからも地域との繋がりを構築していきたいと思います。

 


  

投稿 

 

1枚の写真で拓かれた人生   

          

環境教育研究センター/コミュニケーション社会学科 3年 福島 朋美              

                                 

 

 

  私は高校時代に農や環境、食について学び、それらに興味を持つようになりました。大学に進んだら、地域と農業にかかわる活動をしたいと考えていました。しかし同時に、やりたい分野が絞り切れずに悩んでいました。そんな時に、本学のパンフレットに小さく田んぼの写真が載っているのを見つけました。周りに何も無く、ただ土の上で泥まみれになって、大人たちと一緒に真剣に農作業に取り組む学生が写っていました。海外での実習やホエールウォッチングなど、派手な活動が前面に出ている中、その写真は他と比べて地味でしたが、私にはとても魅力的に映ったのです。オープンキャンパスで中山智晴教授の模擬授業を受け、中山ゼミの先輩の話を聞きに行きました。先輩方の雰囲気がとてもよく、本学を受けることに決めました。
 入学して活動に初めて参加した時、私は人とコミュニケーションをとることに苦手意識があり、とても緊張していたのを覚えています。しかし、田んぼで会った大人の方々はとても親切に接してくださいました。それが、パンフレットの写真で見た市民団体 エコ田んぼビオトープNORAの方々だったのです。大人や子ども、先輩方と一緒に田植えや代かき、稲刈りと毎回毎回活動していくうちに、人とコミュニケーションをとることも徐々に苦手ではなくなっていきました。そして、田んぼだけではなく、自分の興味のある活動にどんどん出ていけるようになりました。昨年は、初めての田んぼアートにも取り組みました。ただ大学に通っているだけではできない貴重な体験です。
 私は、たった1枚の写真との巡り会いに感謝しています。それを見つけたことによって本学に入学して、様々な人に出会うことができました。素敵な先輩や同輩、後輩にも恵まれました。今は、お世話になった人たちに少しでも何かを返せるようになりたいです。私がそうであったように、新しい後輩たちが何かを感じられるような、そんな場所を残したいと考えています。