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外国語学研究科

 

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外国語学研究科委員長

    鵜浦 裕 


1955年    石川県生まれ
1984年    上智大学外国語学研究科博士後期課程終了
1989年    文学博士(上智大学)
現在        文京学院大学外国語学部教授


【主な著作】
『M・アラン著 ダーウィンの花園』(羽田節子、鵜浦裕 訳)工作舎(1997)
『進化論を拒む人々』勁草書房(1998)
“Samurai Darwinism: Hiroyuki Kato and the Reception of Darwin's Theory
 in Modern Japan from the 1880s to the 1900s,”
History and Anthropology,
 May 1999, 11, 2-3: 235-255 (available via Academic Search Premier)

『チャーター・スクール』勁草書房(2001)
『現代アメリカのガン・ポリティクス』東信堂(2016)
『E・C・スコット著 聖書と科学のカルチャー・ウォー』(鵜浦裕、井上徹 訳)東信堂(2017)

 

 

私たちは研究と教育で貢献します。ともに新たな時代に挑戦しましょう。

 

 明治維新150周年を迎え、当時の文献を読み返していると、思わぬ文章に出会うことがあります。たとえば早稲田大学の創成期を支えたキリスト者の浮田和民は、人類の発展のために各国と健全な競争を展開することを国家の理想としたうえで、この「世界的生存競争に適合する人民を養成する」ことこそが教育の基本だと言っています。確かに今日のグローバル化は前代未聞の事態ではありますが、私たちが膾炙する言葉とあまりに似ている一節が百年以上も前に書かれていることに、ハッとさせられます。

 

 想えば、明治日本はイギリスが覇権を握る弱肉強食の世界に乗り出し、西欧が押しつける、白人優位の人種主義的位階を這い上がろうとしました。そして第二次世界大戦の挫折のあとも、昭和日本は覇権を握るアメリカが押しつける近代化論に沿って、その「カラーブラインド」な経済的・社会的指標に高得点をあげてきました。

 

 いずれの時期でも、日本は世界のトップを追いかける優等生だったのです。しかし同時に、欧米の産業や文化を日本的に加工しながら、アジア諸国に伝える役割をも果たした面も忘れてはいけません。

 

 今日、覇権を担う国が変わろうとしています。多極化の時代とはいえ、大国とは指導的地位を目指すものです。それが中国であるならば、かつて欧米に乗り換えた日本は中国を追いかけるレースに復帰し、再び優等生を目指すことになるのでしょうか。

 

 この点についても百年以上も前に、明治のキリスト者、内村鑑三は素晴らしい言葉を残しています。「東西の間に起立し…東隣なる西洋より文明を輸入し之を消化し之を変換し之を改良し…西隣なる亜細亜諸州に之を伝ふ」ことが「日本の天職」だと。果たしてこれからの日本は東西の流れを双方向にして、内村鑑三を超えることができるでしょうか。

 

 あのダーウィン的な世界観が叫ばれた時代に、服従と侵略を唱えた御用学者よりも、独立と協調を唱えたキリスト者の思想のほうが、本学の建学精神「自立と共生」に近いと考えます。この建学精神のもと、本研究科の研究・教育は、「英語教育」、「ビジネス」、「英米文化」、「国際協力(アジア地域を強調)」の4本柱を立てています。前二者は自立を目的とし、後二者は共生を目的とします。

 

 グローバル化への対応は近代日本の宿命です。先達は躓きつつも何とか乗り切りました。彼らを学び勇気をもって、ポスト平成のグローバル社会に立ち向かいましょう。私たちは研究と教育で貢献します。