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留学体験談

【アメリカ】セントベネディクト・セントジョンズ大学 オンライン留学レポート①

大学     :College of Saint Benedict and Saint John’s University    
学部・学科  :外国語学部英語コミュニケーション学科 国際教養コミュニケーション専攻     
留学期間   :2021年2月23日~3月18日           
氏名・学年  :K・Hさん(参加時:2年生)      


         

1. オンライン留学の参加動機 

 自分の英語力を高めたいと思い、この留学に参加しようと考えた。英語ネイティブの人に囲まれる留学は、日本の大学とはまた違う環境である。昨年の短期マレーシア留学を通して、毎日英語を使って過ごすこと、異文化の生活に触れること、現地の人と友達になることができた。英語を使わないとコミュニケーションをとれない生活や、英語を使うことで友達が増えるという体験はおもしろいものだった。この体験から留学から得るものの大きさを感じ、また留学をしたいと思うようになった。しかし新型コロナウイルスの流行や、自分の教職履修生としての活動が本格的に始まったことで、実際に留学をすることは難しくなっていた。そこでオンラインであれば、実際に海外に留学するよりも時間の調整ができ、様々なことと両立して留学もできると考え、このプログラムに参加することを決めた。また教職履修生として、ネイティブの先生による英語授業の進め方や声掛けなどに興味があったことも、参加動機である。

2. 目標
 留学を始める前に立てた私の目標は、「英語をなるべく正確に聞きとること」「相手になるべく正確に伝わるように、自分の言葉で英語を話すこと」「なるべく英語で理解すること」であった。キーワードは「なるべく正確に」である。これを基に、1時間の授業で1回は発言をすること、1日に1回以上は自分でミュートを外して話をすることを、毎日行う小さな目標とした。
 

3. 授業
 毎日2・3科目の授業を受けた。授業自体はネイティブの先生と文京学院生との科目が3つ、加えてCSBSJU学生も参加する授業が2つ、さらにCSBSJU学生とゲームをする時間があった。印象的な授業の1つはEFLである。授業では私たちが興味のある話題やそこから発展した話題について取り扱い、発音練習も行った。日本人が苦手とする発音の練習や、私達に特化した発音の課題を学ぶことができた。dogと言っているつもりがgを意識しないとdockになってしまい、Do you have a dock?と伝わってしまうことや、日本人とネイティブの人のfの発音の違いについての説明はおもしろかった。さらに毎回、CSBSJU生との会話や1人で話している様子を録画して提出するという課題があった。会話を録画することには緊張したが、それを見て先生が個々にアドバイスをしてくださるため、自分の発音改善や英語学習に活かすことができたと強く感じられる。
 他にはIntercultural Communicationの授業も印象的である。毎回、文京生2・3人とCSBSJU生2・3人で成り立つグループでお互いの国の文化についてディスカッションをした。私にとってはこの授業が一番大変だったように感じる。日本の文化について考え説明をしたり、CSBSJU生の国との違いを見つけたり、考えることとアウトプットすることが同時に起きるため、頭の中がとにかく忙しかった。また何度もCSBSJU生同士の会話が早くてついていけないことがあった。しかし私達の考えがまとまるまで待ってくれたり、理解できるまで何度か質問をしてくれたり、例を出してくれたりと優しい学生が多く、なんとか頑張ることができた。私が自分の答えや英語に自信がなくなったときにも、あたたかくフォローしてもらい、少しずつ自分の考えをまとめ説明することができるようになっていたように思う。
 

4. 人を認める
 留学を通して「人を認めることの多さ」に気がついた。彼らは自分にない考えに対して、おもしろい、興味深いと思っているように見えた。自分と違う考えについて、「なんでそう思うの?」と目をキラキラさせて質問をしていた。自分と違う考えについて否定から入ることはなかった。日本ではまだ、みんなが同じ考えであることや同じように行動することが良いとされているように感じる。理由の根拠を聞く前に、その人と距離を置いてしまうことの方が多いように思う。学校でも日本の場合は、先生の理想の答えを言う生徒が良い子であるとする先生もまだ多い。一方でCSBSJUの先生は、私たちがどのような考えを言ってもgoodやgreatなど言って受け入れてくださり、その考えに至った理由を知りたいと言ってくださった。海外では自分の意見を主張しなければいけない、意見を言うと質問攻めにあうなど怖いイメージがあったが、それが変わった。あなたの考えやあなた自身を認めたいから、その考えに至った経緯を知るために質問をしているのではないかと思うようになった。ここにはみんな違うことが当たり前だから、それを認めていきたいという考えがあるように感じられた。自分の考えやその根拠を答えるのに私はまだ時間がかかってしまうが、相手は私を認めたいから質問していると思うと少し安心して答えられるようになった。
 また、zoomによるパートナーとの1対1やグループでのオンラインミーティングも楽しかった。時差が14時間あるため、お互いの時間を合わせることには苦戦したが、ミーティングは充実した時間だった。自分や家族の話、文化の違いや、お互いの宿題、将来の夢など様々な話をした。私の拙い英語を聞いてくれて、理解しようとしてくれた。うまく英語を話せないことを謝ると、「そんなことないから大丈夫、それに間違えながら上手になるから気にしないで。」と何度も優しい言葉をかけてもらった。このことからも、私は今回の留学でたくさんの「認める」優しさに救われたと言える。

5. オンライン留学を終えて
 留学を終え、もっときちんと自分の英語で人と話をしたいと感じた。今後は特に英語を英語で理解することに力を入れようと考えている。大学の授業やチャットラウンジやラジオ英会話など、身近にあるものからフル活用してスピーキング力やリスニング力を上げていきたい。また発音のアドバイスも忘れずに活かしていく。さらに自分の考えを伝えることは英語でも日本語でも続けていくと同時に、私自身、今以上に様々な考えを受け入れられる人になりたいと思う。

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 ≪パートナーとのグループでのオンラインミーティングの様子≫