第一弾「新・文明の旅」現地リポート

第一弾「新・文明の旅」現地リポート

学生報告⑧

「新・文明の旅」はトルコからブルガリアに活動の場を移し、1日が経過しようとしています。全体としてはすでに6日目になっています。まもなくプログラムの「折り返し地点」を過ぎるところです。今日はソフィア大学で、「個人プレゼンテーション」を行いました_DSC5056.png

 

ソフィア大学の1年生から4年生が、私のプレゼンテーションを聞いてくれました。タイトルは「Animation industry」でした。海外の日本語学科に属する方は何に興味を持っているかということを考えたとき、ギルナー先生の「Cool Japan」という言葉を思い出しました。そこで自分の趣味でもあり、かつ自身が所属する経営学部にふさわしいテーマとして、日本のアニメーション産業を取り上げることにしました。

 

ブルガリアでどの程度アニメーションが広がっているかをあらかじめ調べてみましたが、確実な情報がなく少し不安もありました。しかしそれは、実際には無駄な心配となりました。嬉しいことに、私がプレゼンテーションをおこなう前から、楽しみに待っていてくれているようでした。またプレゼンテーションを通して、最新の日本のアニメーション現状を知ることができることについて喜んでくれているようでした_DSC5420.png

 

プレゼンテーションの資料は、すでにあらかじめソフィア大学に送られていたので、学生は質問などを用意してくれていました。実際のプレゼンテーションは、日本のアニメーションの現状とブルガリアでのアニメーションの現状を比較し、最終的にはブルガリアでのマーケットを拡大するビジネスプランを提供するというものでした。

 

トルコでのプレゼンテーションは時間に余裕がなかったこともあって「急ぎ足」になっていたので、果たしてしっかりとしたプレゼンテーションになるか不安がありました。しかし実際にはスケジュールがしっかり管理されており、十分に時間を確保していただきました。私のプレゼンテーションは、外国語学部2年の深山さんの次でした。彼女のプレゼンテーションは、日本の語彙をジョークの観点から捉えた内容のものであり、ソフィア大学のみなさんには難しい内容かと予想していましたが、彼女自身の落ち着いたプレゼンテーションによって、学生の皆さんと笑いを共有することができていました。

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次は私のプレゼンテーションです。事前に野口先生や桜澤先生、プレゼンテーション指導担当の方々に、「内容が難しすぎる」という意見や、「的を絞ったほうがよい」というアドバイスをいただいていたため、これまでいくつもの努力を重ねてきました。「いかにして聴衆をプレゼンテーションに引きこむか」、「アニメーションに興味がない人をどうやって引きこむか」、これらが自分自身の「課題」でした。そのためプレゼンテーションの内容は全て暗記し、原稿などを使わずに「興味を持って欲しい」という気持ちを素直に全面に出すことにしました。すでにトルコでプレゼンテーションをおこなった方々の経験を頼りに、「簡単な日本語」と「ボディランゲージ」、さらには「細かい文節」をあえて用いることによってプレゼンテーションをおこなっていきました。

 

先にトルコでのプレゼンテーションを見ていたこともあり、そしてそれらにおける課題を踏まえることができたこともあって、とても落ち着いて話すことができました。むしろ自分自身の顔は、自然と笑顔になっていたと思います。ソフィア大学の学生のみなさんの反応をみつつ、実際のアニメのグッズを用意することで、興味・関心を引くことができたと思います。さらには余裕が出てきて、多少のジョークも交えながら話すことができました。

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質疑応答では、学生のみなさんからブルガリアでのアニメの最新の情報をうかがうことができました。「新・文明の旅」プロジェクトの目的の一つである「最新の情報の受信・発信」を達成することができたと感じました。質問をしてくれた学生の方にはアニメのグッズをプレゼントすることができたこともあり、質疑応答はとても盛り上がり、有益な時間を過ごすことができました。プレゼンテーションを終えた後に、何人ものの学生さんが「さらに詳しいことを聞きたい、話したい」と自分のもとを訪れてくれました。次のプログラムがあるのにもかかわらず、ぎりぎりまでお話をすることができました。

 

今回の最大の「収穫」は、ソフィア大学の学生さんで、ブルガリアのアニメーションファンのコミュニティサイトを立ち上げている方と出会えたことです。今後はフェイスブックで、ブルガリアのアニメファンのニーズを収集して報告してくれる話まで発展させることができました。こういったこともあり、私はこの「新・文明の旅」プログラムが終了しても、つながりを維持することが可能になったと思います。それは嬉しいと同時に、これからは本格的にビジネスプランを考えなければならないとう「不安」と「使命」を感じるようになりました。

 

15年間におよぶ「新・文明の旅」は、まだ始まったばかりです。これからのベースとなるであろうこの「第1回メンバー」には、とても大きな責務が課されています。残された時間を無駄にしないよう全力で臨みたいと思います。

 

報告者:山岸 純也(経営学部経営学科経営コミュニケーション専攻)