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経営学部准教授小松香爾先生が学会優秀賞を受賞しました

大学2016.01.27
第6回社会情報学会中部支部研究会において、経営学部准教授小松香爾先生が優秀賞を受賞しました。
 
対象論文
 
フリーミアムモデルの収益構造の分析
 
発表学会
 
社会情報学会中部支部研究会
 
論文の概要
 
 インターネット上のサービスは沢山あり利益がでる理由も異なります。楽天は売りたい経営者と買いたい消費者をマッチングさせます。
YahooやGoogleは企業に広告枠を売ります。LINEやパズドラはアイテムに課金します。ファイナルファンタジーXIやドララゴンクエストXは全ユーザに課金します。これらのビジネスモデルに対し、本研究が分析したフリーミアムモデルでは、大多数のユーザに無料サービス、数%のユーザに有料サービスを提供します。日本ではニコニコ動画とクックパッドが有名です。
 基本無料でサービスを提供する理由は2つあります。1つはユーザが1人増えた時にかかる費用が0に近いことです。データをアップロードするより、見るだけのユーザが多く、インターネット回線の利用コストはユーザ側が負担することにより、企業側が負担するコストは、ユーザが増えても0に近くなります。
 もう1つはユーザが増えることによりサービスの価値が高まることです。ユーザが増えると投稿される動画やレシピも増えます。原料費0で商品を作ってもらえる可能性があるため無料ユーザも大歓迎なのです。企業は投稿されたデータを閲覧可能にするシステムを作るだけで良いことになります。ただ、このようなシステムの実現はインターネットが登場する前はありませんでした。インターネットに双方向性と同時接続可能という性質があるからこそ、ニコニコ動画やクックパッドのようなシステムが動くのです。
 また行動経済学の実験で、無料には特別な力があることが判明しています。安物のチョコを10円、高級チョコを100円にすると、7割ぐらいの人が高級チョコを買います。ところが、安物チョコを無料、高級チョコを90円にすると、逆に6割ぐらいの人が無料の安物チョコを持って行きます。ようするに人間は無料に弱いのです。
 フリーミアムモデルは、無料の力とインターネットの特性を活かした新しいビジネスモデルといえます。