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2016年新春のご挨拶:「創造性豊かな次世代の人材を育成」<理事長 島田昌和>

大学2016.01.01
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 新年明けましておめでとうございます。皆様におかれましてはつつがなく新しい年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 近年、世界の、緊張・軋轢が高まっています。スマホやパソコンの画面上で、切り取られた世界各地の瞬間の映像が絶え間なく映されるごとに、不安や怖れを抱かざるを得ない現状は、極めて憂慮される事態です。しかしその一方で、経済のグローバル化が進み、一国でのクローズドな経済活動に後戻りすることなど全く不可能なほどに世界中は緊密につながっています。そんな中で、我々はどうしていけばいいのでしょうか。
ネット上に、リアルともバーチャルとも区別がつかない中で飛び交う情報ばかりを頼りにして、我が身に危険がおよばぬように、ただじっとしているだけでは何も変わりません。画面を通じてではなく、人と人とが直接会って話す事で、初めて感じることのできる本音や本心、そして安心感というものが、厳然として存在します。間接情報を鵜呑みにせず、自分自身の信念をもって、広い世界を深く理解しようとする姿勢と行動が一層重要になることでしょう。
 昨年4月、本学園の理事長に就任し、本学の提携校である米国ミネソタのセントベネディクト大学・セントジョンズ大学(CSB/SJU)、台湾の國立高雄餐旅大学を公式に訪問いたしました。そこで感じたのは、まさに直接の交流こそが、長年積み重ねてきた信頼関係をさらに一層ゆるぎないものに進展させるのだ、ということでした。
 さらに、それぞれの提携校が、中高・大学教育において、独自の視点と特色、そしてまた信念を持っているということを改めて感じました。CSB/SJUでは、アート(芸術・文化・心)、スポーツ(身体・技能)、そして情操を教育の基軸とし、その鍛錬こそが学生の将来の可能性を大きく広げるという固い信念がありました。台湾では、ホスピタリティを身に着けるために、基礎から応用まで徹底的に鍛錬を積み重ねることを重視していました。これら隣国の友人の素晴らしさを深く知った上で、本学なりの、一層ステップアップする教育を構築していかなければならないと考えております。
 本学では、文京GCI(グローバル・キャリア・インスティトゥート)、「新・文明の旅」プログラムなどを通して、欧州や東南アジア地域の大学との交流も始まっています。私たちは、より広い規模で、お互いの文化を発信し、融合を模索していかなければなりません。
 2016年は、すでに多くの動きを見せている意欲ある学生、生徒たちと手を携えて、混迷を深める世界に恐れることなく、慎重で用意周到な行動をもって、世界の多様性を認識しながら、時代を変革し乗り越えることのできる創造性豊かな次世代の人材を育成していくことをお誓い申し上げ、私の新年のご挨拶とさせていただきます。